JR和歌山線(王寺→和歌山)

2023年7月24日

路線 JR和歌山線

運行 JR西日本

区間 王寺(17:03)→和歌山(19:23)

所要 2時間23分

大阪市内から和歌山へは、大阪駅から特急くろしお号や紀州路快速、なんば駅から南海電鉄を利用するのが一般的。奈良方面から和歌山へ向かうにしても、大多数の人が一旦難波、天王寺、新今宮まで出てからJR阪和線、南海本線に乗り換えるのではないでしょうか。この日は日曜日の夕方。少しまとまった時間がとれたので、大和路線に乗って王寺駅まで移動し、そこから和歌山線に完乗することにしました。

王寺駅から出る和歌山線の列車は、日中は和歌山行と高田行が30分おきにしかなく、大阪近郊の路線にしては本数は少なめ。ほんの10数年前まではJR難波から高田まで1時間に3本も快速が運転していたのですが、今やその影もありません。夕方になると少し本数が増え、概ね20分おきの運転になります。私が王寺駅に到着した時には、ちょうど16時42分発の高田・桜井経由奈良行きが発車したところでした。

王寺駅は4番、5番のりばが主に和歌山線が使用するホーム。乗車する列車は5番のりばから出発します。大阪方面から大和路快速や区間快速が和歌山線に直通するので、それらは1番のりばから出発します。

17時03分になり列車は王寺駅を出発。車内は買い物帰りらしき家族連れ、部活帰りの学生たちでなかなかの賑わい。大和路線、近鉄田原本線と離れて南を向いて列車は進んでいきます。地方交通線の和歌山線とはいえ、しばらくはロングレール化された線形の良い区間を走るため非常に静かな走行音。特急列車が走るような線と遜色ない乗り心地です。畠田、志都美と停車し列車は二上山のふもと、香芝駅に到着。ここで列車の行き違いがありましたが、待ち時間なく1分も停車しないうちに発車しました。

17時19分に高田駅に到着。万葉まほろば線との乗換駅なので、各方面からの接続がうまい具合に取られています。乗車中の列車も万葉まほろば線経由奈良ゆきに連絡していたのですが、なんとこの列車は王寺駅を20分前に発車した子。高田駅で20分以上停車していたことになります。

高田駅を出発するとレールのジョイント音が響き渡り、一気にローカル線の雰囲気に変わります。掖上駅で五条駅17時14分発の高田行と行き違いがあったが、香芝駅同様1分も止まらずに発車しました。このあたりは乗客の流動に合わせてこちらが優先となるようにダイヤが組まれているのでしょうね。葛城山麓を走っていた和歌山線は一旦東向きに針路を変え、近鉄吉野線との乗換駅である吉野口駅に到着しました。ちょうど大阪阿部野橋行の急行が到着し、接続をとる形になっていました。

吉野口までは2分~4分おきに駅に停車していたのですが、この先北宇智、五条までは駅間距離が長くなります。勾配も少しきつくなり、小高い山を越えるルートを通ります。そういえばこのあたりは大雨でよく雨量計の規制値が超える区間。やはり山がある場所は雨が多く降ります。この日は快晴だったので大雨の心配はなさそうでした。

五条駅までは途中無人駅がほとんどにも関わらず全てのドアが開くシステムでしたが、ここから先の無人駅は一般的なワンマン列車となり、一番前のドアから降車するシステムに変わります。五条駅に到着するころには、車内の乗客もまばらになりました。大和二見、隅田、下兵庫の順に停車していき、18時07分に橋本駅に到着。王寺駅から約1時間で和歌山県に入りました。橋本駅は南海高野線の乗り換え駅で、この辺りは高野山へ向かう宿場町として栄えたそう。

橋本駅で車内の乗客が大方入れ替わりました。ここからは紀ノ川に沿って和歌山を目指します。まだ全行程の半分ほど。紀ノ川の奥には神聖な高野山がある紀伊山地がそびえています。紀伊山田、高野口、中飯降、妙寺、大谷、笠田、西笠田と列車は進んでいきます。名手駅では和歌山駅18時00分発の五条行きと行き違いました。そういえば和歌山線は地味に難読駅が多いです。中飯降(なかいぶり)、笠田(かせだ)、布施屋(ほしや)、千旦(せんだ)などなにかとひとくせありますね。

18時54分に岩出駅に到着。ここからそこそこの乗車がありました。岩出駅周辺はマンションや住宅が多く、和歌山市のベッドタウンのような位置づけなのでしょうか。そういえば岩出の人は車で和泉山脈を越えて、和泉砂川駅から阪和線で大阪方面へ通勤するということを聞いたことがあります。そのため和泉砂川駅前にはパークアンドライドの駐車場があったような。

岩出船戸間で列車は紀ノ川を渡り、左手に見ていた紀ノ川は見えなくなってしまいました。船戸駅では8分間の停車。和歌山駅発の快速五条行の行き違い待ちです。和歌山方面への輸送のため1日数本快速列車が運転されています。

真夏の日の長い時期とはいえ、さすがにこの時間になると外は暗くなってきました。布施屋駅でも列車の行き違いを行い、千旦、田井ノ瀬の順に停車。19時23分に終点の和歌山に到着しました。王寺駅から2時間20分の旅でしたが、新しい車両で乗り心地も悪くなく景色も移り変わりがあるので結構楽しめました。

和歌山線のホームにはご覧のような乗換改札が設置されています。ホーム中ほどには精算窓口と精算機もあり、不正乗車対策をとられています。

JR和歌山駅ビルとバスロータリー。駅前からは和歌山バスが和歌山城、南海和歌山市、雑賀崎、マリーナシティ、海南駅などへ路線を展開しています。阪神バス中古のブルーリボンシティをよく見かけるのですが、この日は遅い時間の為か見かけることはありませんでした。