日ノ丸自動車 勝部線(青谷駅~桑原)

鳥取県にある山陰本線の青谷駅を起点に、3つの路線バスが出ています。今回はそのうちの一つ、勝部川沿いに走る勝部線に乗って終点の桑原まで行ってきました。

路線 勝部線

運行 日ノ丸自動車

区間 青谷駅(16:39)→桑原(16:57)→青谷駅(17:15)

所要 18分(往復36分)

乗車したのは青谷駅を16時39分に出発する便です。ほぼ同時刻に日置線の小畑上行き、長和瀬行が運行されているところを見ると、町役場や小学校輸送がメインなのでしょうか。乗車便は青谷町総合支所前が始発で、青谷小学校を経由して青谷駅にやってきます。ちなみに乗車日は夏休みだったので、おそらく青谷小学校は経由していなかったはずです。

こちらは16時35分発の[A3]長和瀬行き。日本海沿いを走る路線です。青谷駅から終点まで約10分で到着する短い路線です。

[A3]長和瀬行を見送った後、乗車する[A1]桑原行きがやってきました。後ろには[A2]小畑上行きを従えています。ローカル駅のこじんまりとした駅前に、この時だけバスが3台やってきて賑やかになります。乗車するバスは2004年式のレインボー。後ろの小畑行が青谷3線の中でこの日唯一の大型車でした。

青谷駅からは私以外に地元の方2名が乗車。バスは青谷駅前の細い道を抜けて勝部川手前で左折。山陰本線の踏切を渡ります。このあたりは汽笛吹鳴標識があるため、大きな警笛を鳴らして走り抜けていく列車の姿を見ることができますよ。

観光列車あめつち。青谷駅西寄りに汽笛吹鳴標識があります。

バスは駅南団地、青谷中学校前へと進みます。この周辺には青谷上寺地遺跡と呼ばれる、縄文時代から弥生時代の国指定の史跡で、さまざまなものが出土したそうです。中でも弥生人の人骨だけでなく脳まで出土したそうで、DNAを採取して当時の弥生人の顔が再現され2021年にニュースになっていました。

古くから集落があった地ということもあって、現在も稲作が盛んです。勝部川と日置川が作った扇状地でしょうか。海からも近く人が住み着く理由もこの土地を見ればなるほど。古くからこの2つの川の流域に集落が出来、現在に至っても2本の川沿いには人が暮らしています。そんな2つの川沿いを勝部線と日置線が集落と駅の間を結んでいるんだなと、よそ者がこの土地について考え物思いにふけっているとバスは鳴滝に到着。ここで青谷駅から乗車した2名が降車し車内は貸切に。

のどかな田園地帯を過ぎるといつしか山々に挟まれる区間を走行していました。道路も徐々に高度を上げてきているようです。左手には岩肌が露出した山がそびえていました。

地質には詳しくないのですがブラタモリを見るのが好きで興味はあります。火山でできた岩かな?でもこの辺りは違うか。岩盤が隆起してできた岩なのかな?考えてみたのですが、全くわかりませんでした。

勝部川沿いに県道51号線を走行してきたバスは八葉寺入口バス停を過ぎると狭隘区間に入ります。沿道には住宅が立ち並んでいて、お寺や公民館、郵便局などもありました。田原谷、紙屋、診療所前、楠根、澄水と1分おきに停留所を通過していき、16時57分に終点の桑原に到着しました。

終点の桑原は小さな転回場になっていて、バックで進入しました。バスは折り返し時間が1分しかないので、運転士さんに一旦運賃を支払い、趣味で乗車していることを告げそのまま折り返し便に乗車させてもらいました。復路も来た道を戻っていくのですが、さすがに乗車する人はいませんでした。青谷駅で降車時に運転士さんにお礼を告げて降車。とても優しいベテランの運転士さんでしたよ。

バスは青谷町総合支所に向かい、併設の青谷車庫で休憩をするのでしょうか。

今回はJR青谷駅から勝部線に乗車しました。往復しても1時間かからない路線なので、青谷駅で途中下車してローカルバス路線の勝部線や日置線で一往復してみてはいかがでしょうか。時間があれば青谷遺跡や、青谷和紙の博物館にも足を運んでみてください。海あり山あり田んぼあり。この周辺はとてものどかでいいところです。

山陰本線を渡る日置線。別日に撮影。
海岸線を走る長和瀬発青谷行き