【高速バス新路線】住宅地と都心部を直接結ぶ路線は、これからのトレンドになるのか

2022年7月26日

らっきゃライナーと新大阪三田線増便

神姫バスが4月1日から運行を開始する、高速バスの新路線。「らっきゃライナー」

ツイッター上で、神姫バス公式アカウントから毎日出されるヒント(新幹線駅を通らない、お城がある街、東西に長い、1時間以上走行等)を参考に一体どこを結ぶ路線なのか、予想大会が行われていました。

3月9日のプレスリリースで、新路線は、姫路市街~三宮・神戸空港間を結ぶ「らっきゃライナー」と発表されました。

らっきゃとは播州弁で「良い」「大丈夫」の意味。

「楽だなあ」と安心して日常使い頂ける路線を目指して命名したそうです。

運行の詳細は公式サイト等で確認いただくとして、特徴は早朝6時台に姫路市街の各停留所(東辻井~田寺~横関~野里駅~小川橋西詰間の計18か所)で乗客を拾う点でしょう。

小川橋西詰が乗車側最後の停留所。その後は山陽道、阪神高速を経由して三宮・神戸空港へと至る路線です。

ターミナルである姫路駅は通らず、住宅地~都心部をダイレクトに結ぶ通勤通学路線です。

位置づけは社会実験路線ですが、今後が非常に楽しみな路線です。

また神姫バスでは4月1日のダイヤ改正で、新大阪三田線を11往復増便し平日34往復体制になるとの発表がありました。

この路線は、関西学院大学、神戸三田プレミアムアウトレット、イオンモール神戸北と大阪、新大阪を結ぶ路線で、朝夕は三田地区から大阪都心部を結ぶ通勤通学路線の性格ですが、日中は通学&レジャー路線の両方を兼ね備えています。

朝の三田から大阪、夕の大阪から三田は通勤路線らしく、三田エリアの住宅街の停留所にこまめに停車します。

さらに、今回の改正から新大阪三田線に2往復だけですが、阪神バスも参入するそうです。正直これには驚きました。

いつの間にか人気路線になっていたのですね。

新大阪駅に停車中の新大阪三田線

■新大阪三田線の乗車記です。

密を避けたい 時差通勤 新たな働き方が追い風に

このような住宅地と都市部を結ぶ高速路線バスは、神姫バスは三宮から北神戸方面、京阪バスの京都~学研地区、京田辺方面で以前からありました。

新型コロナウイルス感染拡大により、三密を避けたい、時差通勤の考え方が広まったことで、出勤することが少なくなりました。

ニューノーマルなんて言葉もできましたね。

ここにきて新路線の開設、既存路線の増便は、新たな働き方、新たな生活様式による新規需要を見込んでのことでしょう。

毎日電車で通勤していた人が、テレワーク中心となり定期を持っていない。

たまたま今日はオフィスに行かなければならないけど、ゆったりバスで座って行こうかと考えるかもしれません。

逆にいままで車で通勤していたけど、近くのバス停から乗り換えなしでいけるならバスでいいじゃん!のような車からシフトすることも考えられないでしょうか。

今までは、ベッドタウンと呼ばれる地域から都市部へ通勤するには、住宅街から路線バスに乗車し、駅から鉄道を利用するというスタイルが一般的でした。

しかし、これからの時代は働き方が多様化する中で、通勤スタイルも多様化するかもしれません。

各方面から早朝の姫路駅に到着する神姫バス

今後の高速バス路線のモデルに?

昨年の12月に、大阪空港交通が初めての都市間路線である宝塚大阪ライナーを開設しました。

各社このご時世をチャンスと捉えていることが伝わってきます。

宝塚大阪ライナーは宝塚駅と大阪駅、なんばを結ぶ路線で、住宅街を経由しませんが、西宮名塩や周辺のベッドタウン始発にすると乗る人が増えるのではないかと思います。

注:宝塚大阪ライナーは2021年3月31日をもって運行休止となります。(2021年3月17日発表)

新たな働き方、生活様式により、住宅街から都心部をダイレクトに結ぶ高速バス路線、新大阪三田線やらっきゃライナーが好調になり、鉄道がある区間でも高速バスで通勤するスタイルがトレンドとならないでしょうか。

妄想新路線を考えてみた

ここからは、高速バスで家の前の停留所から座って通勤するという新しいスタイルが広まり、他のバス事業者も「もう黙っていられない!」となった時を想定して勝手に妄想してみました。

恐らく各バス事業者のエリアには、ベッドタウンと呼ばれるような住宅地が存在すると思います。

そこでいくつか私なりに考えてみました。ちなみにマーケティングの専門ではありませんし、調査をしたわけではないので話半分で読んでいただければと思います。

橋本林間田園都市各停留所(和歌山県橋本市)~なんば・新大阪

林間田園都市周辺は南海電鉄が開発した分譲地、『都会に近い田舎』とのキャッチコピーで売り出されていたのを記憶しています。

こちらも駅まで路線バス(又は自家用車)を利用し、南海電鉄で通勤するのが一般的ですが、なんばはともかく、大阪、新大阪までダイレクトに結ぶ高速バスがあってもいいのではと真っ先に浮かびました。

同じ大学の同級生が林間田園都市から毎日大阪まで通っていたことから連想しました。

運行は南海バス、南海りんかんバスとなり、南海グループ内の鉄道とバスで競合することになりますが、利用客に選択肢が増えれば利便性が向上し、沿線の価値上昇につながるのでは?と思っています。

同じ南海高野線沿線の三日市町や河内長野周辺発の路線もあっていいのではと思います。

学研、精華エリア、同志社大学~大阪・新大阪

学研精華エリアと京都を結ぶ高速バスが京阪バスと奈良交通が運行していますが、大阪方面の路線なんてどうでしょう。

JR学研都市線がありますが、大阪市内までの乗車時間が長くロングシートの車両で混雑も激しい路線です。

利用客の多い高速バス路線になるためには、学生に利用されなければなりません。そこで学研エリアにある同志社大学に目をつけました。

けいはんな学研エリアで働く方にも利用していただけます。

明石・学園都市~大阪・新大阪又は三宮・神戸空港

僕の中で、この路線が一番本命です。

明石~学園都市間に広がる住宅地と大阪都心部や三宮・神戸空港を結びます。

明石市は子育て世帯の流入が多く、人口が増加しているそうです。通勤に使えるだけではなく、子育て世代のママさんが、小さな子供をつれて街に出かける際にも楽に移動できますし、神戸空港へのアクセス路線にもなるのではないでしょうか。

JR山陽本線を走る「通勤特急らくラクはりま」(通称らくはり)が最大のライバルですが、高速バスは住宅街を発着するので棲み分けができそうです。

明石駅に到着した神姫バス

さいごに

最後は勝手な妄想で、お見苦しい点もあったかもしれません。

この先世の中がどうなるかわかりません。

今言っていることは、何年か後になって、めちゃくちゃに聞こえるのかもしれないですね。

それはそれで、その時の考えをストックできるブログのいい部分なので、数年後読み返して「あの時はしょうもないこと言ってるなー」と自分で自分を叩きたいと思います。

妄想の通りになっていたらビックリするでしょうね!

でもたまにはこうやって、世の中の変化を読み、趣味の世界に落とし込んで新路線を考えてみるのも一つの楽しみ方かな~思っています。

自分がもしバス会社の営業企画担当になったつもりで。

みなさんも是非、身近な地域で新路線を考えてみてはいかがですか。