近鉄バス「八尾線」(近鉄八尾駅前~藤井寺駅前)乗車記

2022年9月6日

今回は近鉄八尾駅前と藤井寺駅を結ぶ近鉄バスの一般路線、「八尾線」をご紹介します。

近鉄バス八尾線とは

近鉄大阪線の近鉄八尾駅と近鉄南大阪線の藤井寺駅を南北に結び、途中JR大和路線の八尾駅、地下鉄谷町線の八尾南駅を経由します。南北に広がった4つの鉄道駅を結ぶ幹線路線で、一日を通して多くの方に利用されている路線です。

大半は全区間を直通する70系統ですが、早朝に八尾南駅発の73系統が走っています。

以前に、近鉄八尾駅前発八尾南駅行が存在しましたが、現在は消滅しています。

近鉄バスの運行系統図を見てみると、南太子堂~藤井寺駅間の71系統と近鉄八尾駅前~太子堂間の72系統の表示がありますが、私は見たことがありません。

運行本数ですが、平日は1時間あたり4本、休日は3~4本が基本のパターンです。

2020年度の新車6002号車

路線の特徴

近鉄大阪線の近鉄八尾駅は大阪府東部、八尾市の中心部に位置し、各駅停車と準急が停車する主要駅。大阪市内へも20~30分とアクセスが良く、駅前の商業施設も充実していることから賑わっています。

朝ラッシュ時には通勤利用が多く、鉄道駅~住宅街、工業地帯への利用が目立ちます。

JR大和路線の踏切に引っかかることが多く、朝の列車本数が多い通勤時間帯にダイヤ乱れが発生すると開かずの踏切となるため、八尾線のバスが大幅に遅延することもあります。

めったにないことですが、同じ行先のバスが3台数珠つなぎで運行することもあります。

JRの踏切が全く開かない場合は、緊急措置として府道2号線でJR線をオーバークロスする迂回ルートを使用することもあるとか。

また、国道25号線との交差点である太子堂交差点~八尾南駅までの区間や、大和川を渡る大正橋付近は交通が集中しやすい区間で遅延が発生します。

ただ、終点の近鉄八尾駅、藤井寺駅では折り返し時間に余裕を持たせているので、よっぽどの遅れでない限り、遅れてきたバスがそのまま折り返し遅れになることはあまりありません。

八尾線乗車レポート

八尾線

運行会社|近鉄バス

乗車区間|近鉄八尾駅前→藤井寺駅

乗車車両|大阪200か1497(6414号車)

2月のとある平日、藤井寺駅前のイオンモールに買い物に行くため利用しました。

ちょうど日野ブルーリボンシティ6414号車が停車していたので乗車しました。

2020年度に新車が配置されたタイミングで、同車の広告が剥がされたこと、教習車でしか見なかったことから、いよいよ退役かと思いましたが、最近は八尾線や河内山本駅を発着する路線でよく稼働しています。

近鉄八尾駅からは10名ほどが乗車。駅前の信号を左折し、南下していきます。

八尾駅筋、八尾市役所前からも乗客を拾いバスはJR八尾駅前へ到着。ここでは2名だけ降車しました。

この日は平日の9時台。朝の通勤時間帯も少し落ち着いた時間なので、通勤客に交じって通院や買い物に出かける年配の方も多く乗車されていました。

この先は府道2号線を南下。

太子堂、北木の本、南木の本、大正北小学校前で降車や乗車が少しあり車内の乗客は半分が入れ替わった様子。

交通渋滞もなく2車線の狭い大阪らしい道を、「ツーン、カツーン」というシフトチェンジ音を響かせて走り抜けていきます。

八尾空港というバス停に到着しました。空港と言っても滑走路の端っこ、府道2号線上に設置されたバス停なので、ここから八尾空港の施設までは徒歩10分くらいかかります。

ちなみに八尾空港は滑走路脇が遊歩道になっているので、小型機やヘリコプターを鑑賞するのにもってこいです。

バス停から10分ほど歩けば滑走路脇に到着しますよ。(町工場の中をジグザグに進む必要があるので、少し道が複雑です)

エアバンドレシーバーを持っている方、飛行機写真の撮影が好きな方なら、伊丹や関空ではあまり聞くことのできない自衛隊機や個人所有機との交信が聞けるので楽しいですよ!

行くなら平日がおススメですが。

話がそれた間にバスは府道2号線から一旦それて、八尾南駅に到着です。

地下鉄谷町線の終点で、地上駅となっています。車両基地も併設されています。

また子ども服で有名な「ミキハウス」の本社はここが最寄りです。

地下鉄への乗り換え客や、駅周辺の通勤客が多いのか、乗っていた大半の方が降車されました。

バスは八尾南駅を後にし再び府道2号線へ復帰します。太田を過ぎると一級河川大和川を渡る大正橋に差し掛かります。

このあたりは、大正橋の南側の堤防上に、国道170号線と中央環状線の間を東西に結ぶ道路がある関係で、商用車や大型トラックが多く走行します。

大正橋はその名の通り、大正時代に架けられた橋で、藤井寺市と八尾市を結ぶ大切な橋として現在も使用されています。架橋当時は木造でしたが、現在の橋は昭和27年にかけ替えられたコンクリート製の橋となっています。当時は歩道のない橋でしたが、現在は両側に歩道が増設されています。

とはいってももう60年以上前の橋のため、かなり道幅が狭く、大型車同士のすれ違いにはかなり気を使う区間です。

最近は見ませんが、運転席か運行表に「大正橋注意!」みたいな注意喚起がされていたのを記憶しています。

乗車時も藤井寺方面からのバスとのすれ違いを見ることができました。お互い慎重に運転されていました。

またバスが橋の手前で、大型トラックを先に通すシーンや、逆にトラックが待つシーンも見受けられます。プロドライバー同士の譲り合い、リスクを回避する判断に「おぉ!」と勝手に痺れていました。(本当に尊敬します)

大正橋を過ぎると西名阪自動車道の真下にある大正橋南詰バス停に到着。ここでも降車が数名おられました。

このバス停は去年の9月1日から「津堂城山古墳前」という副称名が名づけられました。この周辺の古墳群は世界遺産に認定されましたからね!ここから歩いて200メートルの位置に津堂城山古墳があります。

古墳のことはあまり詳しくないのですが、古市古墳群の中でもかなり古い前方後円墳なんだとか。

周辺は花しょうぶ園となっていて遊歩道も整備されています。バスを降りて少し散策してみてはいかがでしょうか。

バスは藤井寺市に入りラストスパートです。ここからは小山、藤の里住宅前と住宅街から駅へ向かう乗客を拾っていきます。その先の藤井寺市役所前で1名降車がありました。

最後のバス停、北岡を通過するとバスは左折し駅前の通りへ。突き当りがロータリーとなっていて、降車場で全員降車となりました。

まとめ

全区間乗り通す人は少ないと思いますが、鉄道駅や市役所、住宅街、工業地帯などで乗客が入れ替わります。年々乗客は減少し、減便もありましたが藤井寺市と八尾市を結ぶ重要な路線であることは変わりません。

基本的に地元客がメインの路線ではありますが、途中に世界遺産の古墳、ショッピングモールの藤井寺にはイオンモール、八尾にはアリオ八尾、リノアスもあるのでお近くにいらしたときはぜひ乗車してみてくださいね。

到着後折り返しを待つ6414号車
6262号車
合間に中型車の日野レインボーⅡも運用につきます(1551号車)
6265号車
6756号車
車内の様子

以上近鉄バス八尾線の紹介&乗車記でした~